炭の原木
炭の原料には多種多様な木が使用されていますが、国内の広葉樹ならウバメガシ、クヌギ、ヤナギ、クリなどが使われ、針葉樹ならカラマツ、スギ、ヒノキなどが使われています。外国産ではユーカリ、サザンカ、オリーブ、アカシア、マングローブなども炭の原料として使用されています。
針葉樹の炭は火つきが良く、すぐに高い燃焼温度が得られますが火持ちが悪い特徴があり、広葉樹の炭は硬度が高く火付きは悪いけれど火持ちが良いので長時間の燃焼縫い向いている特徴があります。
しかしながら全ての木が燃焼用の炭に適している訳ではありません。例えばクリなどは以前の記事で書いた爆跳性などが顕著に出る木で、さらに火が消えやすい特徴もあるため燃焼用には適しません。クリ以外にもカバ、ヤナギなども燃焼用として使われることは少なく、デッサンなどの画用炭として使われていたりします。
それではどのような木が炭に適しているのでしょうか?
硬い炭を焼くにはマツやスギなどの針葉樹よりも、広葉樹で尚且つカシ、クヌギ、ナラが燃焼用には適しています。カシの中でもウバメガシは最高級備長炭の原木として使われており、含む水分が少ないので煙が出にくく火力が安定するため炭火焼にとても適していると高評価を得ています。ウバメガシの炭はその密度と硬度により水に入れると沈むのが特徴です。
ウバメガシ以外でも高品質な炭の原料となるのがクヌギです。ブナ科の広葉樹であるクヌギは全国各地に広く生えていますが、ウバメガシに劣らない燃焼用に適した炭の原木として使われています。またナラの木からはウバメガシやクヌギには多少品質では劣りますが安価で安定した炭の原料になる優秀な木と言えます。
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