炭でご飯を美味しくする
お米を炊くときに炭を入れると美味しくなると言われますが、これは沸騰した水の中で炭から放射される遠赤外線がお米の芯まで熱を通しお米の内部を十分に加熱することにより旨味成分を引き出す働きがあるためです。
炭の吸着力によって水道水のカルキ臭やお米のぬか臭さが取り除かれるとともに、炭から溶け出すミネラル分が水質を良くすることなどから炭を入れると美味しいご飯に炊き上がるのです。これらの作用は面白いことに新米よりも古米の方がより顕著にその効果を感じられます。炭を入れて炊いたお米は2〜3日置いても黄ばむことが少なく、臭いもあまり出ません。美味しく炊けて保存にも向いているという一石二鳥の効果があります。
炭の使用前にはよく水洗いをし、殺菌のために10〜15分ほど煮沸してください。水洗いの際には洗剤などの使用は厳禁です。細かい孔に染み込んだ洗剤が炊飯中に溶け出してしまうからです。使い終わった炭はお湯で洗えば一ヶ月程度は繰り返し使う事が可能です。
炊飯時に使用する炭の量は、お米三合に対し直径2〜3センチ、長さ8センチ程度の50グラムの木炭が目安となります。
お米を炊くのに一番適した炭は備長炭のような硬い炭で白炭が適しています。普通の白炭でも十分にその威力を味わう事ができますが、備長炭の中でも海岸際で採取されたミネラル分を多く含んだウバメガシの炭を使うと同じお米とは思えないほど美味しく炊けると言われています。
お米を炊く以外でもポットや水差しに炭を入れておくと、塩素が吸着され口当たりがまろやかになります。ただし、塩素が吸着された分だけ殺菌作用が低くなるため飲み水として利用する際は出来るだけ早めに使うことを心がけましょう。
また炭を入れた水は弱アルカリ性になる場合があるので、万が一体に不調を感じた場合は飲用を中止しましょう。
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