人類が火を使い始めたのは、今からおよそ45万年前の旧石器時代と言われていますが、木炭自体はそれより前から存在していました。根元的には人類が火を手に入れた時からの出合いと考えられており、落雷や火山などで発生した山火事が自然に消えた時に残った消し炭が人類と炭との出会いであったとされています。
古くには北京原人が暮らしていた洞窟の中から消し炭のようなものが発見されています。日本列島で人が生活し始めたのは氷河期時代(50万年前)と考えられていますが、日本で木炭が使われ始めたのはいつごろからなのでしょうか?
日本人と炭の関係は世界のどの国よりも長い歴史があると言われています。驚くことに発見されている最も古い木炭は、今から30万年前のものと推定され愛媛県喜多郡肱川町の鹿ノ川洞窟から人骨や石器などとともに発見されました。
これは自然発生的な消し炭とは異なり木材をしっかり炭化した状態の木炭として発見されており、石器時代にはすでにある程度の製炭技術があったことを示しています。
火持ちがよく、火力調整が簡単にでき、軽量で保管に優れ腐らない木炭の存在は間違いなく燃料革命であったと言えます。農耕生活を営むようになってからは炭が日常生活に取り入れられ、生活になくてはならない存在になっていったようです。
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