炭の調湿作用
炭には高い吸着効果があることは以前の記事にも書きましたが、この作用には湿気を抑える効果もあります。湿気を吸うだけではなく、湿度が低くなると水蒸気を吐き出す作用もあります。これを調湿作用と言いますが、この作用はどのように活用されているのかを述べていきたいと思います。
古来からこの調湿作用の特性を活用した建築方法があります。一般的には馴染みがないかもしれませんが、埋炭という技術です。建築物を建てる際にその敷地に炭を埋めておくと湿気が取り除かれて全体的にその建物の寿命を伸ばす事ができるというものです。木造建築が主流だった日本では湿気による木材の腐敗や、シロアリの増殖を抑えるために古くから主に寺社仏閣の建造にこの埋炭が取り入れられてきました。床下に炭があることにより湿度調整がなされ、快適な室内状況を作り出す以外にもダニの発生を防ぐこともできることからアレルギー対策にもなるのです。
日本の住宅に多く使われている畳も高い調湿作用を持っていますが、この畳(井草)と炭を組み合わせるとより高い調湿作用が期待できます。炭畳と呼ばれるこの商品はカビやダニの繁殖を抑え室内を快適な環境に整えてくれることから近年人気が高まってきています。
炭の調湿作用は建築技術以外にも身近なところで役立っている事があります、それは衣類の保存です。クローゼットに炭を入れておくことで湿気やダニの繁殖を防ぐ事ができ衣類の傷みを抑える事ができます。梅雨の季節などに是非活用してみてはいかがでしょうか?
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